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カガミヨカガミ・・・ |
母に言いつかったお使いをすませてスーパーを出たところで「ゲテモノブス~、ゲテモノブス~」と叫びながら歩いてくる変な人とすれちがった。
妙なデザインのメガネをかけたその女性(おBAさんと書きたいけど、書かない)は全身日焼け対策に身を固めた、つまりサンバイザー、首にタオル、変な長手袋等々装着。こういういでたちの人を見ると、色白は七難隠すというけれど、あなたには八難ありそうだから無駄な努力じゃないですか?といつも思う^^;
まあ、それはさておいて、時々いるよねこういうちょっといっちゃってる人。と、そのままやり過ごそうと思ったけれど、なんとなく振り返って見てしまった。
するとその人は「ゲテモノブス~」といいながら、私ににやっと笑ってみせたのでした。こわ~~~~><!
ぞっとしてあわてて足を速めたけれど、それから家に着くまでずっとそのことが頭から離れない。
何とか仕返しをしてやったらどうかしら。例えばくるりと回れ右をして、その人めがけてまっすぐに向かっていったらどうするだろう、逃げるかしら。
逃げてもずーっとついていったらどうするかしら。逃げなかったら?
逃げなかったらどうしよう。
ずっとゲテモノブス~と叫び続けているその人に、さっとバッグから鏡を取り出して、鏡を向けてやったらおもしろい。
しかし残念なことに鏡なんかバッグに入っていない。
ああ、ダメだ。こんなことを考えていたらうんざりだ。
この先ずっと、このことを覚えていたらいやだな。だから違うことを思うことにした。
あの人はきっと少し変な人だから、誰にも相手にされないんだろう。そこで私が振り向いた。
あの人は、ほうらゲテモノブスが振り向いたわ、とうれしくてにやりと笑って見せたんだろう。嫌われ者のあの人は、それで今日一日がいい気持ちになるんだろう。だったらそれでいいことにしましょう。
そうしてやっとこさ、ゲテモノブス~の呪縛から解放されたのでありました。
参ったでござるよ。