08 September 2011

バルコニーにて

balcone6 by *Caran*

市の条例なのかどうか正確には知らないけれど、表通りに面する場所に洗濯物などぶらさげてはいけないことになっている。(一応)
都市部の建物はたいがい中庭を抱え込んだコの字型になっていて、とりすました外側に比べて中庭側は元気いっぱいだ。人々の生活がそこにある。
特に夏は、みな戸をあけはなっているから、生活の音が石の壁に反響してとてもにぎやかだ。
台所でお皿のふれあう音や、子供の遊ぶ声。音楽。誰かがnabuccoをろうろうと歌い上げれば、しばらくすると別の窓から同じメロディの口笛が聞こえてきたりする。


植木に水をやったあと、膝を抱えてしゃがみこんでぼんやりしているのが大好きだ。そうしていると前は身体をすりつけるようにして犬がやってきて、私の隣に座り込み、一緒に表を眺めたりしたのだけれど、いまはもうそれはない。
その代わりに一階下のバルコニーをホームに設定wしているネコと目があったりする。うむむネコめ。


みんなが洗濯物を干す晴れた日の午前中は、あたりは石けんや柔軟剤の匂いで満たされる。おもわず深呼吸してしまう。
トーマス・ハリスによれば、心安らぐこの香りと洗濯機がゆっくり回転するリズムは母親の匂いと巨大な鼓動であり、水が旋回する音とともに胎児が聞く音。なのだそうだ。


ところで。植木鉢にきゅうりの種をまいておいたらすくすく育ち、豊年満作なのであります^^v



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